相続

1.被相続人(父母)70才
2.主たる相続人(子)45才
 ~以上に該当すれば、被相続人は相続人に対して
  生前に財産債務の内容を十分に説明して下さい。

 財産債務が不明のまま遺産分割協議をすれば
  理解が得られず不成立になります。


土地について
推定相続人(例:子供)と一緒に現地踏査して下さい。
境界の確認、宅地の場合は進入路が確保してあるか。
口頭ではダメです。持分登記して下さい。

預貯金について
一覧表を作成して下さい。
通帳・証書・印鑑は別々に保管して下さい。(貸金庫利用等)

賃貸契約書について
契約書が亡くなられた方(例:親)のままになっていませんか。
早急に契約書を更新して下さい。

~相続財産を確認することが相続対策の一歩になります。


 相続手続で一番ハードルが高いのは、法定相続人全員の遺産分割協議書に自署押印(実印)が必要な
 ことです。法定相続人で円満な状況なら押印してもらえるのですが、困難な場合があります。
 そこで対策として、公正証書遺言(公証人役場で作成)をおすすめします。

   (例)
   (被相続人)      (法定相続人)
     A          配偶者B       (代襲相続人)
               (亡)Aの兄C ・・・ 兄Cの子 F・G
               (亡)Aの妹D ・・・ 妹Dの子 H・I・J
                   Aの弟E

 Aの法定相続人はB・E・F・G・H・I・Jの7人です。
 代襲相続人はF・G・H・I・Jですが、東京・大阪の遠方に居住しており、日頃連絡がとれていません。
 Aの希望は、全ての財産を配偶者Bに相続させたいそうです。この場合、公正証書遺言が最適です。
 兄弟姉妹には遺留分はありません。(民1042①)




名義財産(預貯金等)について

①相続時の財産について
問:父(被相続人)の財産を整理していたところ、家族名義の預金通帳が見つかりました。
  この家族名義の預金も相続税の申告に含める必要があるのでしょうか。

答:名義にかかわらず、被相続人が取得等のための資金を拠出していたことなどから被相続人の財産と
  認められるものは相続税の課税対象となります。
                              国税庁作成「相続税の申告のしかた」


②名義財産の帰属について
  裁判例は名義財産の帰属認定について
 「被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において
 被相続人に帰属するものであったか否かは、当該財産又はその購入原資の出損者、
 当該財産の管理及び運用の状況、当該財産から生ずる利益の帰属者、被相続人と
 当該財産の名義人並びに当該財産の管理及び運用をする者との関係、当該財産の名義人が
 その名義を有することになった経緯等を総合考慮して判断するのが相当である。」

③対応について
 国税庁発表の平成26年事務年度における相続税の調査状況によれば、
 相続税の実地調査における申告漏れ財産の内、
 現金預貯金等が35.7%(その内名義預金等が80%)
 となっています。
 
(1)民法549条(贈与契約)
    贈与は、自分の財産を無償でやろうといい、
    相手方がもらおうといって合意ができたときに成立する契約である。 
        ・・・履行の確認

(2)贈与税の申告
    贈与金額が110万円を超えると申告しなければなりません。
   当事務所では、贈与事実を確認するためにも110万円の非課税枠にとらわれずに
   110万円を超える贈与を受け申告するようアドバイスしています。
       (例)贈与金額120万円  贈与税1万円



特別寄与料の創設  …民法1050

改正前 相続人以外の者は、被相続人の介護に尽くしても、相続財産を取得することができない。

改正後 令和元年7月1日施行
    相続開始後、相続人以外(例:長男の妻)の親族は、相続人に対して金銭の請求をすることができる。
    →介護等の貢献に報いることができ、実質的公平が図られる。

①    特別寄与料の額は、相続人と療養看護等をした親族との間の協議又は家庭裁判所の審判により定まること。
②    特別寄与者は、被相続人の相続を知った時から半年~1年以内に請求しなければならない。。
③    特別寄与料の額は、被相続人の遺産額を限度とすること。
④    特別寄与料に対しては、相続税を課税することとする。


 被相続人の配偶者(以下単に「配偶者」といいます。)の居住の権利を保護することの方策として
創設されたもので、遺産分割等で一定期間その建物に居住できる権利のことをいいます。
(民法1028①)

 配偶者居住権には「配偶者短期居住権」および「配偶者居住権」の2種類があります。

1.「配偶者短期居住権」・・・・・配偶者が被相続人の所有していた建物に居住できる権利で、
  居住する期限は、遺産分割において取得者が確定した日、又は相続開始の時から
  6か月を経過する日のいずれか遅い日となります。
2. 「配偶者居住権」・・・・・配偶者が終身又は一定期間、被相続人の所有していた建物を
  無償で使用及び収益することができる権利です。

○建物所有者の登記義務
  居住建物を取得した者は、配偶者に対して配偶者居住権の設定登記義務を負います。
 (民法1031①)

○配偶者居住権の評価
  相続税の計算の上では、配偶者居住権を一定の価額で評価して、相続財産として
 課税の対象とします。
  居住建物取得者については、配偶者居住権が設定された居住建物・敷地の価額を、
 配偶者居住権等を控除した価額で評価します。
 (相続税法23の2)

〇配偶者居住権の施行日
 配偶者居住権の施行日は2020年(令和2年)4月1日です。

(アドバイス)
  登記することにより配偶者居住権が保証されます。仮に登記しないまま居住し、
 建物を譲渡された場合、第三者に対して対抗する術がなくなります。
   出典:相続税実務ポイント解説 税務研究会出版局 


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